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セキュリティ

何でも隠蔽するだけのセキュリティーじゃだめ ? 61

ストーリー by reo
敵の見積もりが肝要 部門より

eggy 曰く、

なんでもかんでも情報を隠蔽するアプローチでセキュリティを確保しようとするのはもう時代遅れなのかもしれない (I PROGRAMMER の記事本家 /. 記事arXiv:1109.5542v1 より) 。

セキュリティの確保について 2 つの原理があり、1 つはケルクホフスの原理で、情報を隠蔽してもセキュアにはならない (秘密鍵以外の全てが公知になったとして、なお安全であるべき) というもの。もう 1 つは Fortification Principle と呼ばれるもので、防御者はあらゆる攻撃手法をガードしなければならないというものである。しかし攻撃者は無制限のコンピュータリソースを手にした全知全能の神などではないわけだから、攻撃者の行動パターンやアルゴリズムを調査して攻撃者のタイプを特定したうえでシステムを適切に隠蔽することで防御の効果が高くなるのだという。つまり、考えられる限りのあらゆる攻撃からシステムを守ろうとするのではなく、これまでの攻撃及び今にも仕掛けられそうな攻撃への防御に集中せよ、ということだそうだ。

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  • 逆じゃない? (スコア:3, 参考になる)

    by Anonymous Coward on 2011年10月04日 17時18分 (#2029367)

    原文の見出しは"Security by obscurity - a new theory"(隠蔽によるセキュリティ - 新たなセオリー)だし、
    "security is a game of incomplete information"(セキュリティは不完全情報ゲーム)と言ってるし、
    タレコミで言ってることとは逆に

    「今までは『隠蔽によるセキュリティ』は駄目だって言われてたけど、意外とそれも悪くはないんじゃね?」

    って書いてあるように思えるんですが……。

    • by Anonymous Coward

      論文は読んでないけど記事は読んだ。確かにそう書いてあるね。

  • 日本のEコマースサイトについて言うと、中国向けに商売をしているのでなければ、中国のアクセスをブロックするだけで、かなり安全になります。
    あとは、ロシアですかね。

      • by Anonymous Coward

        その逆に中国から日本へのアクセスを遮断するフィルタを金盾に実装してくれれば良いのに

    • エロゲ会社は海外からのアクセスをブロックしてるとこもあるしな

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    • by Anonymous Coward

      そういう考えたか自体が危険

      • ふむ、言葉が足りなかったようで、誤解されているみたいなので、補足。
        中国のアクセスを遮断するだけで、「完全」に安全になるとは言ってません。
        「かなり」安全になると書きました。

        元記事に書かれていますが、

        「しかし攻撃者は無制限のコンピュータリソースを手にした全知全能の神などではないわけだから、攻撃者の行動パターンやアルゴリズムを調査して攻撃者のタイプを特定したうえでシステムを適切に隠蔽することで防御の効果が高くなるのだという。

        つまり、考えられる限りのあらゆる攻撃からシステムを守ろうとするのではなく、これまでの攻撃及び今にも仕掛けられそうな攻撃への防御に集中せよ、ということだそうだ。」

        という点で、中国のアクセスを遮断するだけで、セキュリティ対策のためにかける労力がかなり軽減されるのです。
        そこで得た余力で、今すぐに重点的に行わなければならない対策に注力できます。

        日本のEコマースを運営している会社は、システムの開発を外部に発注していて後手に回るか、自社制作でも少人数で行っていて、セキュリティには手が回らないところが多いのが実情です。

        そういう事情を考えれば、全方位作戦に出るよりは、現状、商売の対象地域でない所のアクセスは遮断して、商売の対象地域からのアクセスについて、セキュリティ対策を重点的に行うべきと私は考えます。

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    • by Anonymous Coward

      日本でしかやらないサービスならそれでもいいんですけど、
      グローバルな商売なら、どの道、ブロックを解放することになるのでは?
      北朝鮮からアタックとかなら何も考えずにブロックで済みますけどね。
      #あそこは将軍様くらいしか購買力ねーし。

    • by Anonymous Coward

      面倒くさいからいっそのこと漢字圏は全部ブロックしてしまえ
      と欧米人が考えても不思議はないかな?

  • by iwakuralain (33086) on 2011年10月04日 17時57分 (#2029389)

    一度攻撃を受けてみないとどう防御すればいいのかわからないこともある

    # 最近はパターンとかフォレンジックとかいろいろあるんで未知の物でもある程度は大丈夫そうですけど

  • by NOBAX (21937) on 2011年10月04日 19時09分 (#2029418)
    隠そうとするから、見たがる奴が出るわけで、
    全部オープンにしてしまえば、何の問題もないわけです。

    ノーガード作戦最強。

    たいした事と書いてないのに、(秘)とかにしたがる人よくいますね。
    本当に隠さないといけない情報なのか吟味することから、始めるべきですよ。
    • by shibuya (17159) on 2011年10月04日 20時30分 (#2029445) 日記

      その辺の秘情報を秘情報として扱う手続きって、ウォーターフォールになっていてラピッドプロトタイピングその他のアジャイルな手法がまるで通用しない。
      だから上流のえらいさんが決めたら下流下層川下は手も出せずそれっきりになっている側面が見逃せないかと思います。

      親コメント
  • >つまり、考えられる限りのあらゆる攻撃からシステムを守ろうとするのではなく、これまでの攻撃及び今にも仕掛けられそうな攻撃への防御に集中せよ、ということだそうだ。
    「守りて必ず固きは、その攻めざるところを守ればなり。」
    「備えざる所なければ則ち寡なからざる所なし。」(孫子 虚実篇)

    今はすっかり人海戦術の国になってしまって…

    --
    RYZEN始めました
    • by Anonymous Coward on 2011年10月04日 15時55分 (#2029329)

      引用してるタレコミ文:

      考えられる限りのあらゆる攻撃からシステムを守ろうとするのではなく、これまでの攻撃及び今にも仕掛けられそうな攻撃への防御に集中せよ

      文意:(人的/時間的/マシン的)資源に限界があるんだから、全部を守ろうとせず攻められそうなところに注力しろ。

      数千年前の中国人はすでに知っていたこと、として引用している文

      守りて必ず固きは、その攻めざるところを守ればなり。

      文意:攻めてこないところも守ってるからこそ固い。

      意味、逆だよね?


      備えざる所なければ則ち寡なからざる所なし。

      の方はタレコミ文の主張と同じだけど。

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      • by Emc2 (14960) on 2011年10月04日 16時42分 (#2029343) 日記

        >逆
        いろいろ解釈当たったんですけど、
        ・「攻めてこないところも守ってるからこそ固い。」では逆に「攻めてこない(守る必要のない)ところまで守っていては守りの手が足りない=弱い」となるはず
        ・「攻めてこないところを守ってるから負けない」と直球ではあんまり
        だもんで
        ・攻め手が「あ、こりゃダメだ」と攻めたくなくなるところで守ってるから負けない
        という解釈になるんだとか。

        相手の攻め方を読んで攻める気を無くさせる防御をするってことなら文意に沿うかなと。
        (というか中国の古典って読み方次第で180度違う解釈になるのはよくあることのようなw
          孫子の注釈書なんて中国史ちょっと繰っていくとぽろぽろ出てきますし…)

        --
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        • by Anonymous Coward

          もう少し前後の文脈を見てみると:

          攻めて必ず取るは、その守らざる所を攻むればなり。
          守りて必ず固きは、その攻めざる所を守ればなり。
          ゆえに善く攻むる者には、敵、その守る所を知らず。
          善く守る者には、敵、その攻むる所を知らず。

          「攻める時は敵が守ってないところを攻めよ」と対になっているから,
          「守る時は敵が攻めてきそうにないところでもしっかり守れ」と解釈
          する方がしっくりくるなぁ。

          • by Emc2 (14960) on 2011年10月04日 21時07分 (#2029463) 日記

            でもそれだとやっぱ、同書の同篇にある言葉である
            >備えざる所なければ則ち寡なからざる所なし。
            と矛盾する気がするんですよねえ。

            #それこそ世界各国で解説書書きがご飯の種にしてるテーマですし、
            #堂々巡りになりそうなので「私の解釈はこれだ」ってことで打ち切ります。

            --
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          • by Anonymous Coward on 2011年10月04日 22時35分 (#2029512)

            虚実篇は情報戦的概念が背景にあるので

            > 攻めて必ず取るは、その守らざる所を攻むればなり。
            > 守りて必ず固きは、その攻めざる所を守ればなり。
            > ゆえに善く攻むる者には、敵、その守る所を知らず。
            > 善く守る者には、敵、その攻むる所を知らず。
            攻めに成功するのは相手が『ここには攻めてこないな』と守りを手薄にしてるところ攻めるからである。
            守りに成功するのは相手が『ここを攻め落とすのは無利だな』とそもそも攻撃を仕掛けてこないところを守るからである。
            (だから情報を管理・操作して相手にそのように思わせるのが肝要である。)
            ゆえに攻めの上手い者とは相手にどこを守ればいいのか的を絞らせない者である。
            守りの上手い者とは相手に(どこも守りが固くて)攻めどころがないと思わせる者である。

            というところでしょう

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  • ここは大丈夫だろう、という隙を突くのが攻撃って奴なんだけどな。
  • by Anonymous Coward on 2011年10月04日 17時11分 (#2029359)

    掃除のおばちゃんやおかんの電源ケーブルへの攻撃は、タップを隠しただけじゃ足りないって事ですかー!

  • by Stealth (5277) on 2011年10月04日 17時52分 (#2029386)

    「何でも隠蔽する」メソッドは、漏洩するとまずい情報に不正っぽいアクセスが来たら究極的には「通信を切る」「プロセスを落とす」「情報を破壊する」「OS を固める」「ハードを物理的に破壊する」……といった感じでエスカレーションしながら「相手の手に渡らないようにする」事に他なりませんから、極めて有効な事ではないでしょうか。

    まぁ、ソフトウェア的な範囲では、かなり自由に環境に合わせた設定を行えるような形でフレームワークを用意したところで、本来の目的 (ソフトウェアを動作させることで得られるメリット) のためには邪魔でしかないという事で、真っ先に「まず SELinux を無効にします」とか言われるんですけどね。

  • 「これまでの攻撃及び今にも仕掛けられそうな攻撃への防御に集中せよ」って、つまり防御側はこれまでの攻撃のすべてを知っていて、さらに未だ攻撃されてないけど次に来そうなところを予測できなければならないって事になるんじゃないでしょうか。
  • by harako (114) on 2011年10月04日 22時13分 (#2029499)

    リスクマネジメントの視点で考えた場合、確かに最初にすべきは、どのリスクに注力しなければならないかを特定する作業なんだよね。

    発生の可能性が物凄く低い事象(例えば隕石直撃)や、損失が低い事象(損失しても何百円とか)まで対処するとなると、業務が繁忙になってしまい、本来守るべき所が手薄になってしまうので、かえって別のリスクを産んでしまうことにもなりかねないし。

    実際のビジネスでは予算も人員も有限だし、その限られたリソースの中で、いかに適切な範囲で対処するかってのが重要なんで、言っていることは至極当たり前のことだと思う。

    *ただし*、絶対に守らなければいけない事ってのもあるのは事実で、国家機密に対する防御や、今回の原発事故のような事態の想定なんかは、必要なリソースを投入してでも、ありとあらゆる対策はすべきだと思うけど。

    もっとも、それらも災害/被害の度合いを考えれば、たとえリスクの選別をしたとしても、元からリスクの管理対象としてあげられているべきだと思うけどね。
    # 天災(特に地震)なんかは頻繁に起こる事象なわけだし。

    そういう意味では、ほんの一例だけど、社員の情報なんてのも個人情報保護法に守られて、昔に比べたらかなり厳重な管理になったけど、その情報が流出した場合、いったいいくらの損失になるのかってのはもう一度見直す必要があるのかもね。(コンシューマ相手の商売だったら顧客情報管理は死活問題だから真面目に考えるべきだけどね)

  • >しかし攻撃者は無制限のコンピュータリソースを手にした全知全能の神などではないわけだから

    ボットネットを使った攻撃とか、システム管理者が合法的に使用できるコンピューターリソースに比較したら、無制限のコンピューターリソースを持つ全知全能の神に等しいだろう。

  • by Anonymous Coward on 2011年10月04日 15時53分 (#2029327)
    時代遅れも何も、何でも隠蔽しときゃそれでいい、なんて時代があったのか?
    • そんな時代はありませんでした。

      えぇ。あったとしても、それが判るようでは「隠ぺいした」事にはなりませんからね。だから「そんな時代はありませんでした」。
      # 「あったのか?」なんぞと聞くようでは、永久に判らんだろう。

      --
      fjの教祖様
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      • by Anonymous Coward

        この場合は、設問者(記事投稿者)に「あったのか?」と聞いてる、感じではないでしょうか。

        # ACの方の文章という前提だと、ちょっと分りずらい気もしますが、まあこういうのもいいかな
        by AC

        • もっとよく考えるんだ。

          「十分に隠蔽された情報は、その存在自体が露呈しない」のだから後の歴史に記録されるはずがないだろう?
          知っているのは「隠蔽し抜いた当人」だけだよ。そしてその当人は絶対その存在を明かさないのだから、『そんな時代が過去にあったとしても、他人が知るすべはない』。

          だから他人に「そんな時代はあったのか?」と聞いても無駄だ。

          そんな時代があったことを知っている当人はその存在を隠すためにも「なかった」と言うだろうし、そんな時代があったことを知らない人は「なかった」と言うだろう。これは何人に訪ねても同じこと。
          嘘つき村と本当村の住民に「あなたは本当村の住民ですか?」と聞くようなものだ。

          --
          fjの教祖様
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    • by Anonymous Coward on 2011年10月04日 17時13分 (#2029361)

      その疑問は正しいです。
      なんだか微妙にミスリーディングな記事なんですな。

      > なんでもかんでも情報を隠蔽するアプローチでセキュリティを確保しようとするのはもう時代遅れなのかもしれない (I PROGRAMMER の記事、本家 /. 記事、arXiv:1109.5542v1 より) 。

      これ元記事は、security by obscurity が「ダメだ」という耳タコな話じゃなく、
      「従来は無意味だと思われてたけど意味あるかもよ」という話ですよ。

      > もう 1 つは Fortification Principle と呼ばれるもので、防御者はあらゆる攻撃手法をガードしなければならないというものである。しかし攻撃者は無制限のコンピュータリソースを手にした全知全能の神などではないわけだから、攻撃者の行動パターンやアルゴリズムを調査して攻撃者のタイプを特定したうえでシステムを適切に隠蔽することで防御の効果が高くなるのだという。

      そのために、攻撃者が攻めあぐねている時間を obscurity で稼げばいいじゃん、という話じゃない?

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        つまり、二原則ともに見直す必要があるという記事か。

        1) 隠蔽は無意味←いや攻撃者の手口を見るのに役立つよ。

        2) 脆弱な箇所が1点でもあれば守備力ゼロ←いや攻撃者も全能じゃないから。仕掛けてきそうになったのを見付けられるようにしとけばいい。

        1はいいけど 2はどうなのかな。

    • by Anonymous Coward

      WEBですがカスタマイズベースのパッケージが何かバレないようにせよとは言われてきました。
      ところがそれの脆弱性をつかれるなんてことを結構体験してきたので、バレたというより有名どころのパッケージのゼロデイ脆弱性は総当たりで試されるもんなんじゃないかと思うようになりました。
      隠してても当てずっぽうで当てられたら隠す意味ないですからね。

      # 穴があったとして穴を埋めずにふたして隠蔽するのは根本解決じゃない一時回避で隠すとは言わないよね。

      • by Anonymous Coward

        お好みのものからチョイスして一通りの攻撃が出来る攻撃用パッケージというものがあるらしい事を聞いて以来、小細工は無意味だと悟っています。
        「あるらしい」とは書きましたが、脆弱性診断ツールを攻撃用にカスタマイズすればいいだけなので、確実にあるのでしょう。

      • by Anonymous Coward

        私大の情報系実習にて。
        課題:「~な機能を持ったPHPプログラムを3~4人グループで開発せよ。」
        結果→結果、半数近くが既製品をインストール+改造して提出。2割ほどはクレジットを消し忘れる始末。
        その後の課題:「~な機能を持ったPHPプログラムを3~4人グループで開発せよ。どうしても出来ない場合は、既存の物をクレジットを残したまま用いて、その実装を解説せよ」
        結果→結果、半数近くが既製品をインストール+改造して提出。2割ほどはクレジットを削除して勝負。

        既製品流用組は当然解説などできるわけもなく、説明できずにしどろもどろ。でも学習せずにまたヤらかす。
        彼らの評定がどうなったかは知らないが、こんなのが情報系専攻卒業の資格を持って世の中に出て行ったかと思うと怖くて怖くて・・・

        なんか、その彼らと同じ精神構造のかほりを感じてしまいました。

    • by Anonymous Coward

      今も昔も、「隠すことによるセキュリティ」なんて1章の冒頭に悪い例として出てくる考えですよね。

      • by Anonymous Coward

        あと真っ黒に塗りつぶしたりとか。

    • by Anonymous Coward

      2、3000年前ぐらいにはあったんじゃね?
      暗号方式さえ秘密にしときゃ大丈夫だろ、とかそんな感じで。

    • by Anonymous Coward

      東京電力
      検察
      官僚
      政府
      マスコミ
      芸能事務所
      著作権村の人々

  • by Anonymous Coward on 2011年10月04日 18時27分 (#2029401)

    > 考えられる限りのあらゆる攻撃からシステムを守ろうとするのではなく、これまでの攻撃及び今にも仕掛けられそうな攻撃への防御に集中せよ、と

    つまり、「これまでの攻撃及び今にも仕掛けられそうな攻撃」以外の攻撃をすれば、攻撃が成功する確率が高くなるというわけですね。
    参考になりました。

  • by Anonymous Coward on 2011年10月04日 21時14分 (#2029465)

    隠すんじゃなくってブラフまきちらして真実がどれかわからなくしろ・・・
    って話かと想像してしまった。

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アレゲは一日にしてならず -- アレゲ見習い

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