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アメリカ合衆国

米政府は令状なしに国外のサーバーを攻撃できる? 41

ストーリー by hylom
法の抜け穴? 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

地下薬物の販売を行っていたサイト「Silk Road」とその所有者であるRoss Ulbricht容疑者に対する裁判で、米国政府は「令状なしに国外のサーバを攻撃できる」と主張しているらしい(Ars Technica本家過去記事Slashdot)。

この裁判では、米連邦捜査局(FBI)がアイスランドにあったSilk Roadをどのように発見したかというその手法が争点となっている。Ross Ulbricht側は、サイトの所在を発見するために政府がサイトを攻撃した可能性が高いと主張。当初、FBIはこれを否定していたが、最近では方針を転換したようだ。

米国側の弁護士、Serrin Turne氏は憲法修正第4条では、ホストサーバーの保護を米国外では認めていないとして、「FBIがIPアドレスを特定するために(捜査令状なしに)サーバーを攻撃したとしても、憲法修正第4条には衝突しなかっただろう」として、この攻撃が正当であることを主張している。

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  • 例えば、家宅捜索の際に鍵やバリケードを破壊することは認められるわけで、同じように考えるのなら、「サイバー捜索」なるものの際に、この対象に付いている「鍵やバリケード」を破壊して捜索することが可能であっても、おかしくないもかもしれません。
    米国にこの種の令状を発行する法律が存在するのかは知りませんが。

    日本では、これを可能とする明文の規程はないと思いますが、解釈上は可能かもしれません。

    まず、差押えの対象として、とあるサーバーが指定された令状が発行されたとします。
    サーバーを物理的に差し押さえることはもちろんできますが、サーバー内のデータだけをコピーすることもできます。
    このコピー方法について具体的な規定はないため、電気通信を介してコピーできるという解釈は可能かもしれませんし、この際に、令状執行に必要な行為として、通常なら不正アクセス禁止法違反となる、セキュリティ機能の回避や突破も可能という解釈も可能かもしれません。
    また、執行相手に令状を呈示しなくてはいけないので、これが可能な通知手段も広く解釈することになるでしょう。

    しかし、この仮定で考えても、日米共に、外国に所在するサーバーを強制捜査することは、外国に所在する住宅を強制捜査するがごときの主権問題にはなりそうに感じます。

    第百十条
     差押状、記録命令付差押状又は捜索状は、処分を受ける者にこれを示さなければならない。

    第百十条の二
     差し押さえるべき物が電磁的記録に係る記録媒体であるときは、差押状の執行をする者は、その差押えに代えて次に掲げる処分をすることができる。公判廷で差押えをする場合も、同様である。
    一  差し押さえるべき記録媒体に記録された電磁的記録を他の記録媒体に複写し、印刷し、又は移転した上、当該他の記録媒体を差し押さえること。
    二  差押えを受ける者に差し押さえるべき記録媒体に記録された電磁的記録を他の記録媒体に複写させ、印刷させ、又は移転させた上、当該他の記録媒体を差し押さえること。

    第百十一条
     差押状、記録命令付差押状又は捜索状の執行については、錠をはずし、封を開き、その他必要な処分をすることができる。公判廷で差押え、記録命令付差押え又は捜索をする場合も、同様である。
    ○2  前項の処分は、押収物についても、これをすることができる。
    刑事訴訟法 第110条、第110条の2、第111条 [e-gov.go.jp]

    (第222条第1項により、捜査機関に準用される。強調筆者)

    あるいは、IPアドレスを調べるだけなら、「検証」になるのかな。

  • 仮に憲法の権利保障が適用外だとしても、刑事手続法上で令状が必要とされていたりはしないのかな。
    日本でいえば、日本国憲法第35条(捜索・押収の令状主義)が適用外になったとしても、刑事訴訟法では強制捜査には令状が必要だとしているわけで、令状がなければ違法ということになる……はず。

  • by Anonymous Coward on 2014年10月10日 17時19分 (#2691739)

    それより必要なのは宣戦布告なのでは。

    • by Anonymous Coward

      つまり物理的にAttackか。

      冗談抜きだったりする可能性がおそろしいわ。

      • by Anonymous Coward

        ん?あれ?宣戦布告って、物理的アタックのときにのみ必要でした?
        電磁的アタックは宣戦布告必要ない?そんな国際法あった?

        #ていうか、不戦条約以降、戦争行為自体が不法行為になったため、「国際法的に適法な戦争」ってのが難しいって状態があるw
        #「戦争行為自体を不法行為」にすることによって、すべての「戦闘行為」において
        #ハーグ陸戦協定とか捕虜の取り扱いとか、戦争を前提にした国際法が無視されちゃうとか,
        #むしろひどいことになっているのがなんとかかんとか
        ###なお、戦争の存在を全否定する九条を平和賞に推戴したい勢力が(e

        • by Anonymous Coward

          9条は戦争・戦闘行為・戦力、それらすべての存在を認めているからこそ、
          それらによって起こり得る惨禍を防ぐために、日本が起こす武力行使を
          否定しているだけですが。

    • by Anonymous Coward

      宣戦布告したって相手が受諾するとは限らないし、仮に受諾しなかったとしても一方的に始める訳で。
      これまで令状なしに攻撃(物理)してきた国が、サイバー空間だけは令状主義です、といわれても説得力には欠ける。
      法執行機関としてのこだわりなのん?

      • by Anonymous Coward on 2014年10月10日 21時45分 (#2691915)

        アメリカの攻撃(物理)には、大統領やそのスタッフの政治的判断が為されたはずなのですが、
        今回の攻撃(サイバー)では、FBIが判断しただけですよね。
        アメリカ政府が令状無しで他国を攻撃するのはいつものことでも、
        FBIが令状無しに攻撃するのは今までになかったんじゃないかな。

        だいたい、憲法修正第4条の適用範囲が米国内のサーバーに限定されるのは、あるいはその通りかも知れないが、
        FBIの権限もまた合衆国に属する各州内のみに限定される以上、
        正規の外交プロトコルを介さずに海外サーバーに対して攻撃するのは適当ではないでしょう。

        #大統領が命令書にサインしてたなら別の話だけど。   んなわけねーよ。

        親コメント
      • by Anonymous Coward

        戦争は捜査ではないですからねー
        とはいえ、令状のかわりに議会の承認とか大統領のサインとか必要だと思いますよ。
        法執行機関としてはそれが令状であり、軍は法執行機関ではないつーことで。

        でもって、これ国間の話にもってくコメント多いけど、FBIも当然米国の法律にしたがう必要があるわけで、でもその法律や憲法に反してないよ?って話でしょ。

        修正第4条 不合理な捜索及び逮捕押収に対し、身体、住居、書類及び所有物の安全を保障される人民の権利は、これを侵害してはならない。……

        http://ja.wikisource.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E5%90%88%E8%A1%86%E5%9B%BD%E6%86%B2%E6%B3%95#.E4.BF.AE.E6.AD.A3.E7.AC.AC4.E6.9D.A1
        人民って米国民だけをさすのかな?

  • テレビドラマでは、捜査令状って、刑事が容疑者に提示して読み上げている。
    これって、日本だけの法令じゃないのか?
    国際法っていうか、二国間の条約に基づいて、FBIが相手国の容疑者に同じような事をするのか? しないといけないのか?

    • by Anonymous Coward on 2014年10月10日 21時53分 (#2691921)

      FBIに協力している相手国の警察(の警察官)が、相手国に居住している容疑者に対して捜査令状を提示し、
      家宅捜索や身柄の拘束を行なうのが、罪刑法定主義に基づく近代国家として通常だと思いますが。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        アメリカは罪刑法定主義をとっていないし、罪刑法定主義は近代国家の必須条件でもない。

    • by Anonymous Coward

      相手国の捜査当局の協力を得るためにインターポール(ICPO)があるんでしょう。例えば日本にいるアメリカで犯罪を犯した容疑者に対する捜査は 国際捜査共助等に関する法律 [e-gov.go.jp]に基づいて日本の警察が行うことになるはず。

      ぐぐってたらこんなのが見つかった。
      平成17年警察白書 [npa.go.jp] 第2章 第2節 外国の治安機関との連携 [npa.go.jp]

      平成25

    • by Anonymous Coward

      FBIだからって外国で逮捕はできないでしょうに。
      逮捕するのは現地の機関でしょ。

    • by Anonymous Coward

      米国で裁判を行うつもりなら逮捕理由はともかく、被疑者の権利をその場で伝えないとたとえ明らかに有罪であっても裁判で無罪(違法逮捕)とされてしまいますよね。

      ちなみに日本では、現行犯なら逮捕令状は不要なので警察官でなくても逮捕出来ます。
      ただしその後手続き上いろいろ面倒なことがありそうな気がします。(たぶん)

  • 国同士のやりとりには「法」はないので、米国の力なら、好きなようにできるでしょう。
    もっとも、米国は、条約は「きっちり」守るのですが……
    (逆に、規定がなければ好き勝手にするという訳で)

    # 米国以外がやったら戦争になりそう。。。

    --
    notice : I ignore an anonymous contribution.
    • by Anonymous Coward

      アメリカは基本的に国益に反したら、他国の国内法なんて平気で踏みにじりますよね。自国の国内法や条約も回避に走りますし。
      そうじゃなきゃいきなり海外で空爆とか始めませんよ。あとグアンタナモとか悪名高いですね。

      • by Anonymous Coward

        なにをいってるんだ?

    • by Anonymous Coward

      >もっとも、米国は、条約は「きっちり」守るのですが……

      しばしば他国の領空に侵入して偵察を行っていますが。
      イラクに勝手に飛行禁止空域なんてのを設けて、イラク軍がイラクの領空を飛んだら米英軍が追い払っていましたが。
      もちろんイラクの領空に侵入して。

      イランにも度々、航空機や特殊部隊を侵入させているようですね。
      イラク戦争の頃、シリアの空港には真っ白で国旗どころか機体番号すらない航空機が駐まっていました。
      イラン領内でTVによるプロパガンダ放送を行っているらしい機体とか。
      あるいは、アルカイダのメンバーを運んでいるらしい機体とか。
      当時の航空ファンに写真がありました。

      どっちの機体もいろいろ条約に反してるのでは。

      • by Anonymous Coward

        具体的に何の条約に違反してるんでしょう。

        #「いろいろ」とか「みんなが」って便利だよね

        • by Anonymous Coward

          条約は無視してないよね、無視してるのは他国民の人権だけ。

  • by Anonymous Coward on 2014年10月10日 17時23分 (#2691744)

    これを正面から主張しちゃうと中国政府(人民解放軍?)を非難できなくなっちゃうんじゃない?

    • by Anonymous Coward on 2014年10月10日 17時34分 (#2691752)

      一応、国内の犯罪者が海外サーバを持ってた時の話なんだよ。
      サイバー越境攻撃の話ではない。

      とはいえ、やったことは一緒だと言われたら反論できない。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        ダミーの罪人を立てれば越境攻撃できますね

      • by Anonymous Coward

        アメリカの海外に対して現地法尊重しないのはさておいても
        せめて運営者やターゲットが国内なら捜査や摘発アリにでもしておかないとやりたい放題になってしまうのも事実。

        無修正エロをあからさまに日本向けに完全海外運営で国外送金で配信してる業者とか、医薬品のネット販売禁止に対抗してシンガポールから個人輸入扱いで販売するのを意地で続けたケンコーコムとか。善悪は別として止められなかったでしょう。

        • by Anonymous Coward

          必要性は分かるけど、それはこっちの都合ですね。

          手続きとしては、サーバのある外国の政府との協力関係の中でやらないと、おかしなことになってしまう。

    • 中国のIT機器にバックドアが仕組まれているだとかもそうだけど。
      イラクへの攻撃も自作自演だし、アメリカが言うのは全部逆と見てる。

  • by Anonymous Coward on 2014年10月10日 17時43分 (#2691763)

    というか、令状があれば国外のサーバーを攻撃してもいいのか?

    • by Anonymous Coward on 2014年10月10日 17時54分 (#2691766)

      米国の国内法的には良いんじゃ無い? 

      米国法上問題ないので、Ross Ulbrichtに対する裁判では問題ない。
      サーバーがあった国との折衝は別問題。
      って方針で、FBIが裁判を勧めているって話っぽいですし。

      で、興味があるのはサーバーがあった国の対応なんですが、どこかで声明出してないものですかね。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      米国の国内法的にどうなのか?という話題です。
      相手国では違法か合法か?は、また別の話。

  • by Anonymous Coward on 2014年10月10日 17時52分 (#2691765)

    この理屈からすると
    犯罪者がホストでなくてもOKになるよね
    ホスティングサービス業者は
    担当判断でテロ支援組織認定みたいな

    法の場で無法を主張しているわけなので
    法廷侮辱罪で裁いてあげたらいいと思う

  • by Anonymous Coward on 2014年10月10日 18時50分 (#2691799)

    >サイトの所在を発見するために政府がサイトを攻撃した
    あるかないかもわからないサイトを攻撃?
    >IPアドレスを特定するために(略)サーバーを攻撃した
    攻撃するためのアドレスはどうやって決定したのか?

  • by Anonymous Coward on 2014年10月10日 21時44分 (#2691913)

    サイバー攻撃くらい現場の判断でやって何の問題もない。くらいの認識でしょう

    • by Anonymous Coward

      国防、国益が絡んでくれば、他の国もやるんじゃないの?

  • by Anonymous Coward on 2014年10月11日 3時26分 (#2692011)

    米政府、「米国内に保存されていないデータについても米政府の要求があれば提出せよ」と主張 [srad.jp]

    では、中身のデータが米国に関係するものであれば、たとえ米国外にあっても米国の法が及ぶと主張し、
    今度は人民の所有物に対する礼状無しの捜査を禁じる米国法は、米国外の地では適用外だと主張する。

    • 「中身のデータが米国に関係するものであれば」という話ではありません。
      米国内であれば米国法が適用及び、米国法が及ぶ相手ならば裁判所は命令を出せるし、命令を受けた相手がどのような手段で命令を遂行するか知ったこっちゃねえってことです。
      罰金刑を受けた被告が、その支払いのために銀行から預金をおろすというときに、その銀行が国内か外国かは、判決の効力には全く関係ないですよね。

      なお、日本の裁判所や捜査機関も、同じことができます。

      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2014年10月11日 15時08分 (#2692189)

    先制して撃ち返していれば銃による悲劇は防げたとか真顔で主張する連中だな。

    • by Anonymous Coward

      > 先制して撃ち返していれば

      相手が撃ってきてからじゃないと撃ち返せないと思うんだけど、それって先制じゃないよなぁ・・・

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UNIXはただ死んだだけでなく、本当にひどい臭いを放ち始めている -- あるソフトウェアエンジニア

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